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The Hunter その3

罪もない動物を撃つゲーム

狩猟の対象となる野生動物と言われて何を連想しますか。鳥類ならカモやキジ、哺乳類なら野ウサギ、キツネ、ぶぅちゃんにRyota-Low……。しかし、なんと言ってもその代表格は鹿であり、このゲームにおけるターゲットもまた雌鹿や雄鹿たちです。ホッパーが繰り返し読んでいるスティーブン・ハンターの名著「極大射程」の中からある一節を引用します(最近映画→DVD化もされたので見ましたが正直クソ映画でした…)。
ボブは彼らの魔法を愛していた。かつて人間狩りをしたとき、そこには魔法など見出せなかった。人間は愚かだ。闇雲に動き回っては無駄口を叩き、何マイルも前から正体を現わして射撃区域に足を踏み入れる。

しかし雄鹿、とくにウォシタ山脈の老雄鹿は幻のように姿を現わす。まるで違う星からやってきた高等生物のように、何もない藪から前触れもなく飛び出してくる。彼らの感覚は剃刀のように鋭く、すべてをその後の二分間に集中している。これが雄鹿の秘密だった。雄鹿は過ぎ去った二分間のことなど考えない。その二分間は経験したと同時に存在することをやめ、完全に消滅してしまう。雄鹿が考えるのはこれからの二分間だけである。過去もなく、本当の意味での未来もない。あるのはいまだけだった。

新潮文庫「極大射程」(スティーブン・ハンター著)より

この小説の中で主人公のボブ・ザ・ネイラーことボブ・リー・スワガー元一等軍曹は、鹿に最大限の敬意を表しており、このゲームの主人公のようにトロフィー目当ての狩猟をするハンターを忌み嫌っています。それは彼自身がかつて北ベトナム軍にとってのトロフィーだったからです。

ゲームと現実の区別がつかない人にとっては戦争を題材にしたゲームほど禍々しいものはないでしょう。でも、自分は俺TUEEEEしているぶぅちゃんをクレイモアで吹き飛ばすのに心は痛まない。だけど鹿は違う。鹿は絶対に撃ち返してはこない。ゲームとはいえ、罪もない動物を撃てるのか(←ゲームと現実の区別がつかなくなってる証拠)。そんな不安を抱えたままホッパーはWhitehart Islandに降り立ったのでした……。



緑豊かな島、Whitehart Island

ゲームが始まると自分は狩猟小屋の前にいた。左手に持っているのは自分の位置・向き、そして鹿の痕跡などを記憶してある程度の行動範囲を予測してくれるGPS機能付きPDAのようなもので、名前は「HUNTER MATE」というらしい。まずはマウスでくるくるとあたりを見回してみる。CrysisやFarcryの世界も綺麗ではあったけど、Whitehart Islandはそれとはまた違った種類の美しさを持っている。

狩猟小屋のそばには試射場があったが、あまりライフルを撃つ気がなかったのでそのまま周囲を散策することにした。30分ほど歩き回ってますますこの箱庭世界に感動。調べてみると開発元のAvalanche Studios(スウェーデンのデベロッパー)はもともとシームレスに移動可能なオープンタイプのフィールドを作ることに定評があるらしい。何かを撃つことよりも3D空間を歩き回ることが好きでFPSを始めた自分は、ただただ歩き回るだけで楽しかった。









時間の経過とともに天空の太陽は移動し、木々が生み出す影の向きも変わっていく。夕暮れ時ともなると西の空は真っ赤に燃え、狩りの時の終わりを知らせてくれる。風が吹けば草花がざわめき、枝葉に風を受けた松の木が幹を揺らす。空がにわかに暗くなったかと思えば突然大粒の雨が降り出し、森は濃いガスに包まれる……。

The Hunterの真価はこの自然探索にあるといっていいと思う。ただあてどなく森を彷徨う感覚はPlayStationの名作「アクアノートの休日」を彷彿とさせる。しかし、「アクアノートの休日」なら彷徨い泳ぐだけで自分以外の何かに遭遇することができたのに、このThe Hunterでは何も考えずに走り回っていただけでは鹿との出会いは永遠に来ない。

結局最初のハンティングは実時間で2時間近くも島を徘徊しただけで終わってしまった。もちろんその間、遥か上空を舞う鳥や花の周りを飛ぶ昆虫以外の何かに出会うことはなかった。何をどうすればいいのかもう一度考えよう。Docは言っていた。「動物の痕跡を探せ」と。(その4へ続く)
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